【宿泊記】ホテルニューオータニ エグゼクティブハウス禅 - デラックス ダブル(50平米)
東京赤坂に位置し、豊富な種類の客室にレストラン、さらには日本庭園も備える、ホテルニューオータニ。今回は、その中で唯一5つ星を獲得している「エグゼクティブハウス 禅」に宿泊。
従来のラグジュアリーホテルの考えを覆す、食やおもてなしの魅力を押し出した、新しいホテル体験となりました。
目次
1. チェックイン
ホテルニューオータニの入り口はおおきく分けて二つあり、それぞれ、赤坂見附駅/永田町駅からは徒歩3分、麹町駅/四ツ谷駅からは徒歩6分程度。
個人的なおすすめは前者のルートで、後者は坂道があるので要注意です。
ホテルは、開業より歴史ある本館「ザ・メイン」、より高層のタワー館「ガーデンタワー」、レストランとオフィスを有する「ガーデンコート」の3つから構成され、エグゼクティブハウス禅はザ・メインの11~12階に位置する、全87室の特別フロアです。
今回はタクシーを利用し、四ツ谷駅方面のザ・メインに直接向かいます。
館内は、日系ホテル御三家らしく、新年を祝う華々しい雰囲気に包まれており、見どころの正月装花も迫力ある逸品でロビーを彩ります。
様々なブランドショップが館内に並ぶ、外資系ホテルでは見られない光景に目を引かれ、しばらく館内を散策。
ガーデンタワー方面の同フロアには日本庭園を望む「ガーデンラウンジ」があり、アフタヌーンティーも楽しめる贅沢な空間です。
年始ステイということもあり、チェックインカウンター前はかなり混雑している様子。
エグゼクティブハウス禅の宿泊者は優先的に、「エグゼクティブラウンジ」でのチェックインに案内いただけるため、ちょっとした特別感が嬉しいところです。
2007年にリニューアルされたこともあり、ロビー内はスタイリッシュなモダンスタイルで統一され、建物本来の古さを感じさせません。
同じ御三家の中でも、より格式と歴史を感じさせる帝国ホテル、より格式と和を意識させるThe Okuraとも、全く異なる様相です。
サービス面に関しても、他ホテルでは感じられない非常にユニークな、温かみ溢れるスタイルで、ちょっとした驚きでした。
宿泊者を楽しませることに徹底したおもてなしは、さながらエンターテインメントのようで、よりカジュアルに楽しむことができる魅力があります。
ラウンジ内では、生姜の利いたほうじ茶ラテをいただきつつ、チェックイン。客室の準備が整うまでの間、喧噪を忘れさせる穏やかな時間を過ごすことができました。
ラウンジの詳細の詳細な様子や、フードプレゼンテーションのメニューは後ほどご紹介していきます。
2. 客室 - デラックス ダブル(50㎡)
エグゼクティブハウス 禅の客室フロアは、大胆な墨書をイメージさせる、ブラックやグレーを基調とした高級感溢れるモダンデザイン。
ルームキーで入場可能なセキュリティエントランスは、どことなく帝国ホテルのインペリアルフロアを思い出させます。
季節折々の細かな装花も、照明を落としたフロアで美しく演出されています。季節や自然を感じられるインテリアが多いのも、内資系ホテルならではの特長かもしれません。
デザインは良いのですが、建物の古さ故、若干の天井の低さや通路幅の狭さが気になるところ。2007年にリニューアルされたとは言え、1964年開業当初からの歴史を感じさせるつくりです。
デラックスタイプの客室は45㎡と50㎡の2種類がありますが、今回は後者をチョイス。12階、富士山を正面に望む西側の客室にアサインしていただきました。
宿泊中はエグゼクティブラウンジでのフードプレゼンテーションを楽しんでいる時間がほとんど。そのため、正直なところ45㎡ではなく50㎡であることのメリットはあまり感じませんでした。
2-1. リビング・ベッドルーム
客室に足を踏み入れると、木材感ある、温もり溢れる客室空間が広がります。
エントランス右手にウォークインクローゼット、左手にバスルームが続く、使い勝手の良いアプローチです。
大きく縁どられた窓からは、庭園の緑や夕焼け空が一面に広がる、優雅な装い。
公式サイトの写真から夜のイメージが強く、ネイビー/グレー色のスタイリッシュな客室を想像していたのですが、全く異なる様子で驚きました。
ソファーエリア、ダイニングテーブル、ベッドと全てが使い勝手の悪くないサイズ感のままコンパクトにまとめられています。
やはり天井の低さが気にかかるところではありますが、窓の開放感がそれを緩和させているように感じます。
インテリアは全体的に背の低いこじんまりとしたものが多く、インパクトには欠けますが、日本人の体系にフィットした負荷の少なさが特長的です。
さりげなく飾られた墨のアートは、穏やかな客室に侘び寂びを持たせるとともに、その雰囲気と上品に調和しています。
ベッド周りも非常に落ち着いた印象で、灯篭のような和のインテリアがどこか馴染みやすい、心地よい空間を演出。
ザ・メインの高層階とはいえ12階で、眺望はそこまで期待していなかったのですが、周囲には高い建物がなく、かつ角度も良かったため予想以上に素晴らしい夕日を眺めることができました。
晴れた日には、客室の正面に富士山が見えることも。ザ・メインは3方向に客室エリアが伸びた、三菱マークのような形をしているため、客室ごとの眺望の違いも見どころの一つです。
引き出し型のミニバーは最小限のカトラリーが用意されているのみで、若干の物足りなさを感じます。コーヒーはおなじみのNESPRESSOで、こちらは3種類のタイプ。
2-2. バスルーム
バスルームは、バスタブ周辺の水場を小さくし、ドレッシングエリアを広くとった優雅なスタイル。
使い勝手は賛否両論ありそうな構造ですが、スイートのバスルームと錯覚させるような広さと開放感を感じさせます。
デラックスタイプの客室ながら、タオル類やアメニティを置いておけるラックがあるのは嬉しいところ。
シャワーブースの隣はトイレとなっており、開放的な景観を損なわず、プライバシーも確保されています。
バスタブはラグジュアリーホテルで見かける標準的なものながら、頭部分が水場からせりだした特殊な構造となっています。
客室紹介ではビューバスとなっていますが、実際はベッドルームとはガラス面1枚を隔てて外が見えるようになっている構造で、少々残念。
※プライバシー面に関しては、バスルーム内からブラインドをボタン一つで調整できます
トイレ内部も、シンプルかつ清潔感溢れる内装。
トイレ自体は自動開閉式ではなかったものの、トイレットペーパーにはエグゼクティブハウス禅のロゴの入ったシールが貼られており、細かなこだわりがとても素敵です。
バスルームの向かい側、エントランス付近にはスイートに劣らない使いやすさを誇るウォークインクローゼットを完備。
長物衣類でもかさばらない高さと、スーツケース2台は収納できるラックを備えており、中長期滞在も対応できそうなほど。
2-3. アメニティ
気になるバスアメニティは、Salvatore Ferragamo(フェラガモ)のタスカンソウルで、甘くエレガントなマグノリアを基調に、濃厚ながら柑橘系の爽やかさも感じさせるフレグランス。
個人的には、マンダリンオリエンタル東京のボッテガヴェネタに次ぐ華やかさを感じました。
その他アメニティについても、和紙で包まれていたり、墨のようなソープだったりと和の心地よさを感じさせるこだわりも魅力です。
また、ハミガキセット、髭剃りセット、シャワーキャップ、くし等、基本的なグッズは全て取り揃えてあります。
ヘアアイロンは、ストレートとカールどちらの貸出もあるのも、女性目線で非常に嬉しいポイント。
ホテルによってはカールのみすぐに在庫がなくなってしまうことが多々あるので要注意です。必要な方は、チェックインすぐに注文しておくことをおすすめします。
3. エグゼクティブラウンジ
11階に位置するエグゼクティブラウンジは、専任スタッフによるおもてなしと、他のラグジュアリーホテルでは珍しい”フードプレゼンテーション”が提供される特別な空間。
ラウンジでは1日6回のフードプレゼンテーションがあり、それぞれホテルのこだわりが詰まったメニューをビュッフェスタイルで楽しむことができます。
朝食(コンチネンタル) 8:00~10:00
モーニングスナック 10:00~12:00
ランチ 12:00~14:00
アフタヌーンティー 14:30~16:30
オードブル 17:30~20:00
ナイトキャップ&チョコレート 20:00~21:30
3-1. ランチ
12:00からのランチは、チェックアウト後もラウンジで頂ける素晴らしいサービス。
メインは日替わりサンドイッチやいなり寿司、サイドディッシュにはサラダやフルーツ、さらにはスイーツも取り揃えた幅広いラインナップです。
中でもピエール・エルメ・パリの「ヴィエノワズリー」や「クロワッサン イスパハン」はいずれも人気のメニューでついつい食べ過ぎてしまいます。
他にもパウンドケーキやホテルオリジナルスイーツも用意されており、ランチとは思えない充実っぷり。
中でも提供時間に応じたスープを頂けるのは非常に嬉しいところ。この日のスープはブイヨンスープで、食後のほっとしたひと時に最適でした。
3-2. アフタヌーンティー
チェックイン直後から提供されるアフタヌーンティーも、こだわりの品々が。
やはり推しているのはピエール・エルメ・パリのマカロンやショートケーキで、いずれもショップに並ぶ人気商品がここでは提供いただけます。
和菓子が用意されているのも、このラウンジの特徴。
塩野の干菓子や江戸煎餅といった、他ラグジュアリーホテルでは見られない、ニューオータニらしいメニューは非常に魅力的です。
アフタヌーンティーのスープはミネストローネ。
ちなみにどの時間でもアルコールを頂けるので、この日は日中からシャンパンを飲み過ぎてしまいました。
3-3. オードブル
17:30からのオードブルはコースでの提供ではないものの、これまでと同じく充実した、こだわり溢れるメニューがカウンターに並びます。
中でもおつまみになるサラミや燻製にチーズ、バーニャカウダーと種類も多く、お酒が進む素晴らしいチョイス。
チーズはカマンベールやスモークの他、ブルーチーズも用意され、サラミは蝦夷鹿と蝦夷牛の2種類、燻製はサーモン、シマフグ、鯖の3種という徹底っぷりです。
メインとしてローストビーフのサンドイッチやタパスも充実。お肉たっぷりの内容となっており、おつまみの他にもお腹を満たすこともできます。
赤ワインはピノ・ノワールとメルローの2種類。もちろんシャンパンや白ワイン、ビール、ウイスキー、ブランデー、さらには簡単なカクテルまで幅広く取り揃えており、アルコールの充実度にも驚かされます。
ディナータイムのスープはコンソメで、濃厚かつ香り高いおすすめの逸品です。
温かいスープをラウンジで頂きながら、続くナイトキャップへ。
3-4. ナイトキャップ&チョコレート
20:00になると、カウンターで提供される食事がナイトキャップのメニューに変わり、ラウンジに居ながら、続けて楽しむことができます。
カウンターにはナッツやドライフルーツ、魅力的なスイーツが並び、興奮を隠せません。
ピエール・エルメのボンボンショコラやサブレパルメザンに、マカロン、他には生チョコまでも提供され、お酒との美味しい組み合わせに大満足の、素晴らしい環境です。
寝酒はウイスキーとブランデーをチョイス。
ブランデーはレミーマルタン、ウイスキーはバーボンからスコッチまで取り揃えており、お酒好きにはたまらないラウンジ体験となりました。
3-5. 朝食
朝食はエグゼクティブラウンジもしくは館内のレストラン、ルームサービスから自由に選択可能。
レストランそれぞれでこだわりの詰まった朝食が提供されますが、スタッフさんのおすすめは、ザ・メインのロビーフロアに位置する「SATSUKI」とのことで、非常に人気のあるレストランのようです。
今回はルームサービスをオーダーしたので、次項でご紹介していきます。
4. 朝食 - ルームサービス
朝食はルームサービスで和朝食をオーダー。
焼き魚に小鉢、卵料理、煮物にご飯 / お粥、味噌汁という基本的なラインナップですが、ニューオータニらしい和のこだわりが詰まったセットメニューです。
ホテルによって特徴の出る焼鮭ですが、こちらは仄かな甘味を感じさせる、優しい味わいの鮭。小鉢が充実している朝食なので、そのバランスも良いです。
小鉢は5種類程度と充実しており、味わいは濃厚すぎず、非常に繊細。どことなく、帝国ホテル東京で楽しんだ「なだ万」での朝食を思い出させる、素晴らしいメニューでした。
ニューオータニでもなだ万での朝食を楽しめるようなので、いずれご紹介していきたいです。
5. チェックアウト
今回の滞在を通じ、ハード面でのマイナス点はあるものの、それを上回るフードプレゼンテーションとおもてなしを感じとることができ、5つ星ホテル = 減点の少ないホテル、という自身の認識が変わったホテル体験となりました。
ニューオータニはまだ経験したことのないレストランや客室が多くあるため、まだまだ楽しみがいがありそう、そんな期待感高まる思いでこのホテルを後にしました。
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6. ホテルニューオータニの価格・プラン
価格については気になる方も多いと思うので、こちらで書き留めておこうと思います。
今回の客室「エグゼクティブハウス禅 デラックスルーム(50㎡)」については、結論として一休.comのタイムセール利用が最安で宿泊できるかと思います。
大人2名×1泊で¥66,000〜(税サ込)となります。
参考ですが、他予約サイトの価格比較はこのようになっています。
7. (参考) 他ホテルの宿泊記
最後に、EnoHaru’s Hotel Reportsでは「上質な体験をより身近に」をテーマに、国内外ラグジュアリーホテルでの宿泊記や滞在動画を公開しています。気になる方はぜひ他の宿泊記もご覧ください。少しでも滞在の参考になったら嬉しいです。
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